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「失恋バスは謎だらけ」森沢明夫 あらすじと感想

失恋バスは謎だらけ あらすじ

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失恋バスツアーは、失恋した人たちにどん底まで落ちてもらったあと、そこからグイグイ上がっていってほしい、というちょっと変わったバスツアー。

添乗員である龍太郎は、この企画の考案者だ。
そして毎回、このツアーには、心理カウンセラーである小雪が同行することとなっている。

いつもは20代30代の女性の多いバスツアーだが、今回はみんな超個性的な人が集まった。

金髪ハーフ美女るいるいさんスキンヘッドの巨漢入道さん、73歳で失恋したというサブローさん、カタコトの日本語で話す社長という陳さん、ピアスだらけのパンクロッカー(予定)ジャックさん、ずっと純白のハットをかぶったお嬢様桜子さん、ゴールデンレトリバーに失恋したというカメラマン女性ヒロミン、アイドル顔なのに不健康そうな青白い肌のモモちゃん。

どうやら、みんなそれぞれ秘密を抱えて参加しているようだった。

元ヤンキー運転手の女性まどかの運転で、超がつくほど個性的なメンバーをのせたおんぼろバスは3泊4日のバスツアーへと出発する。

実は、秘密を抱えているのは、ツアー参加者だけじゃない。龍太郎は3日前に失恋したばかりだった。なんとその失恋した相手は同じバスに乗っている小雪――――。

バスツアーは様々なハプニングに見舞われながら、進んでいき、いろんな秘密が明らかになっていく。

みんながそれぞれ抱えている秘密とはなんなのか、龍太郎と小雪の恋はどうなっていくのか。


人の温かさに触れながら、辛い過去、今、想像の中の未来の捉え方を教えてくれる小説。

読み終えたあとは、きっとあなたも温かさで包み込まれているはず――――。

感想

森沢明夫先生ファンには嬉しい「つながり」

森沢明夫先生の他の本を読んだことがある方は、「つながり」を感じることができます!

「青い孤島」の方を先に読んでいた私は(出版された順番は、失恋バスは謎だらけ2017年、青い孤島が2021年)、るいるいさんだー!と大興奮でした。

バスツアーに参加していたるいるいさんは「青い孤島」で大活躍することになるのです。

青い孤島を読んだことない方は、こちらの記事であらすじと感想をご覧いただけます!

【胸がじんわりと温かくなる小説】森沢明夫著「青い孤島」あらすじと感想

続きを見る

森沢明夫先生ファンにはたまらない「つながり」がいろんなところに散りばめてあるので、出てきたときの「私は知ってるんだぞ」という謎のむふふ感を感じることができます(笑)

辛い過去を持つ自分が癒されていく

森沢明夫先生と言えば、あたたかく包み込んでくれる作品が多いなぁと思うのですが、「失恋バスは謎だらけ」は、辛い過去を優しく包み込んでくれる作品だと思いました。

だれでも、みんな辛い過去は持っていて、今生きていて、これからの未来を生きていく。

過去を包み込んでくれて、「今」を意識させてくれて、未来というのはいつか終わるものだというのをあたたかい言葉で教えてもらいました。

※この先は少しのネタバレを含みます

「それでも」という言葉がお守りになる

失恋バスは謎だらけを読み終えたあと、ずっと私の生活に残り続けているのがこの「それでも」という言葉です。

たとえば、人生に何か悪い出来事が起きたなら、その出来事に続けて「それでも」とつぶやいてみるのだ。すると人間の脳みそは自然とその続きを探し出してくれるというものである。

「失恋バスは謎だらけ」森沢明夫

私もなにか嫌なことがあったりしたら「それでも」と胸の中でつぶやいてみるようにしました。そしたら、本当に元気が出てきます。
脳って面白いですよね。

小雪さんのセッションを私も受けてみたいと思った!

カウンセラーの小雪さんがツアー参加者のひとりにセッションをする場面があります。

そのセッションは、今一番手に入れたいものを想像して、そのときの感情をしっかりと味わう。そして、そのまま「想像の自分」と「現実の自分」をひとつにさせる、というものです。

一言でまとめてしまうとこうなるのですが、とにかく、このセッションのところは読んでいただきたい!!
このセッションがもう素晴らしいなと思いました。

入り込めば入り込むほど、読み終えたあと、現実世界に落とし込みやすいと思います。

じつはね、人間が本当に心の奥底から求めているのって、物質を手に入れることじゃないんだよ

「失恋バスは謎だらけ」森沢明夫

もう、他人になにかを求めなくてもいいし、何かがないと不幸せだって考えなくていいの。ここにいること――――それだけで、実は最高なのね。

「失恋バスは謎だらけ」森沢明夫

なにを幸せというのか、いや、根底にこれがあればなにをやったって幸せなのだ、そう思わせてくれるセッションでした。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

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