目次
「木曜日にはココアを」あらすじ
あらすじ
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。
卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルと落とし忘れる…………。
小さな出来事がつながって、最後はひとりの命を救う――――。
あなたの心も救われるやさしい物語。
引用先:「木曜日にはココアを」裏表紙
「木曜日にはココアを」は、喫茶店マーブル・カフェで働く男の子から始まる、あたたかくて優しい12色の物語が綴られています。
目次
1 木曜日にはココアを〔Brown/Tokyo]
2 きまじめな卵焼き〔Yellow/Tokyo]
3 のびゆくわれら〔Pink/Tokyo〕
4 聖者の直進〔Blue/Tokyo〕
5 めぐりあい〔Red/Sydney〕
6 半世紀ロマンス〔Crey/Sydney〕
7 カウントダウン〔Green/Sydney〕
8 ラルフさんの一番良き日〔Orange/Sydney〕
9 帰ってきた魔女〔Turquoise/Sydney〕
10 あなたに出会わなければ〔Black/Sydney〕
11 トリコロールの約束〔Purple/Sydney〕
12 恋文〔White/Tokyo〕
タイトルの横に書かれた色とTokyoもしくはSydneyという文字。
TokyoとSydneyは、それぞれ物語の場所を現しているのですが、次の場所へと繋がっていくところに感動を覚えます!
色にも素敵な想いが込められているので、そこもぜひ!!
読んでいるうちに自然と色にまで愛着がわいてきます♡
「木曜日にはココアを」おすすめポイント
①短編だから、ココアが冷めないうちに読める!
「木曜日にはココアを」は、短編小説のようになっています。1つのお話が約15ページから25ページなので、「ココア1杯につき、1つの物語を楽しむ」という風に決めれば、ココアが冷めないうちに1つのお話を読み終えることができます。
②ただの短編集ではない!
この本の素敵なところは、ただの短編集ではないということです!
なんと、すべての物語が繋がっていっているのです!
1つ1つの物語の主人公は違いますが、次のお話、次のお話へと繋がっていくのです。
※以降、少し物語のネタバレを含んでいます!!
- マーブル・カフェで働く男の子から物語はつづいていく
1番初めの物語「木曜日にはココアを」の主人公は、マーブル・カフェで働く男の子です。
彼が想いを寄せる「ココアさん」は、マーブル・カフェの常連さんです。ココアさんは、いつも同じ席に座ります。
しかし、ある日、いつもココアさんが座っている席には、先客がいました。パリッとしたブラウスにタイトスカートを穿いた、頭の良さそうな女の人です。
その「頭の良さそうな女の人」も「ココアさん」もどこか元気のない様子です。
「頭の良さそうな女の人」は「やだ、もうこんな時間」と急ぎ足でレジへと向かいます。
- 2話目の「きまじめな卵焼き」の主人公はマーブル・カフェに訪れていた頭のよさそうな女の人
2つ目の「きまじめな卵焼き」のお話を読み進めていくと、主人公はなんと1つ目のお話で登場した「頭の良さそうな女の人」なんです!
なぜこの女性は急ぎ足で会計を済ませたのか、なぜ元気のない様子だったのか、ということが明らかになります。
さらに、3つ目のお話には2つ目のお話で登場した人が主人公に、4つ目のお話には3つ目のお話で登場した人が主人公に……という風にストーリーは進んでいきます。
「次のお話の主人公は誰だろう」と想像しながら読み進めていくのも楽しみです♪
③表紙はミニチュア写真家の田中達也さん
「木曜日にはココアを」の表紙は、ミニチュア写真家の田中達也さんによるものなんだそうです。
とてもかわいくて癒されますよね。
全てのお話を読み終えたあと、じっくりと表紙を見てみてください!
物語と一緒に色がすごく印象として残るので、すぐにミニチュアの人物がどの人物か分かると思います!
「木曜日にはココアを」を読んだ感想 ※わずかにネタバレを含みます
- ニヤニヤがとまらず
すべて読み終えた私は、絶対に顔がニヤけていたに違いありません(笑)
少女漫画や恋愛小説が大好きな私…………。
青山美智子先生の描く淡く優しい恋物語にまたしてもニヤニヤさせられてしまいました。
マーブル・カフェの男の子とココアさんの物語、とっても素敵です。
- うるっとくるところも
途中、うるっとくるお話もあります!
特に、2話目の「きまじめな卵焼き」と3話目の「のびゆくわれら」は、じわっと感動が広がり泣きそうになりました。
「きまじめな卵焼き」は、バリバリ働いているお母さんが幼稚園の息子のために卵焼きを作るお話。普段はお父さんが幼稚園の送り迎えや家事を担当しているけれど、お父さんが仕事のため、お母さん(朝美さん)がお弁当に入れる卵焼きを作ることに。
でも、ぜんぜんうまく上手に卵焼きが焼けない。「卵焼きも作れないダメなお母さんじゃ、拓海がかわいそうだよっ」仕事先から電話をかけてくれた旦那さんにそう朝美さんがこぼした時は、自分と重なって泣きそうになりました。
自分はダメな母親なんだと思ったことがある人は、きっと多いと思います。
そんな情けなく、辛い気持ちを優しく癒してくれるお話です!
朝美さんがついこぼした言葉に、輝也パパが言った言葉は、きっと子育て中で辛い想いをしているお母さんたちにきっと刺さると思います!!
すべてのお話を読み終えたあとは、色にさえ愛着が沸いてきます。
きっと、12篇のお話の中に刺さるお話があると思います!
- どの物語もすごくあたたかい気持ちになる
どの物語も読み終えるとすごくあたたかい気持ちになります。
甘く優しい気持ちになりたい人には「木曜日にはココアを」。
仕事を一生懸命頑張っている人には「きまじめな卵焼き」。
私が1番好きなのは、最後の「恋文〔White/Tokyo〕」のお話です。
恋文の主人公は「ココアさん」です。「恋文〔White/Tokyo〕」を読み終えた時に、「White」という色にさえ、ときめきを覚えてしまいます。
「木曜日にはココアを」に繋がる「いつもの木曜日」も発売されています!
「いつもの木曜日」は「木曜日にはココアを」の登場人物が“あの日”に出会う前の物語が描かれています!
おわりに
ほっこりする物語が好きな方は、ぜひホットココアを片手に「木曜日にはココアを」を読んでみてください!!
最後までお読みいただきありがとうございました!
当ブログ運営者である筆者も書籍化を目指して小説を書いております。
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