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あさのあつこ「バッテリー」あらすじ
「バッテリー」の主人公である原田巧は、驚異的なピッチャーとしての才能の持ち主です。そんな巧が、岡山県の地方都市、新田に引っ越し、巧の剛速球を受け止められるキャッチャー、永倉豪と出会います。それをきっかけに物語は進んでいきます。
ただのスポ根青春物語ではない
「バッテリー」は、切磋琢磨しながら、野球に励む少年たちのスポ根青春物語ではありません。
天才的なピッチャーの巧。巧の驚異的なまでの才能とセンスは色々な人を巻き込んでいきます。
病弱な弟の青波、野球は中学までだと言われていた豪、高校時代は甲子園球児だが、今は太っている稲村のおじさん……。
それぞれの悩みや苦しみが野球というものを通して描かれています。
「スポ根青春物語」よりも、もっと味わい深くて面白い、そして色々と考えさせられる物語なのです。
「いじめ」に巧はどう立ち向かうのか
野球部に入部する巧ですが、気が強く実力もある巧を、野球部の先輩たちは「生意気だ」とよく思いません。
けっこうひどいいじめを受けるのですが、そのいじめに対して巧はどう立ち向かうのか、またそんな巧に対して豪たちはどんな対応をとるのかも見どころだと思います。
大人になって読み返すとまた違った味のする「バッテリー」感想
主人公の巧に対して、中学生の時は憧れた、大人になった今は生意気と思った
私が「バッテリー」に出会ったのは、中学1年生の時でした。
当時は、主人公の巧がカッコよく見えて仕方がありませんでした。
それが、30歳手前になった今読むと、巧に対して、「こんなに生意気だったけ」と思いました。
なぜそう思ったのか。それは、主人公である中学生の巧が「子ども」として書かれていないからです。
「バッテリー」という物語を通して、大人になった今、考えさせられること
「バッテリー」は、巧だけでなく、子どもを子どもとして書かれていません。
「一人の人間」として書かれているのです。
巧を「生意気だ」と思ってしまった私は、大人になってしまったんだと考えさせられました。
中学生も一人の人間で、それぞれ、プライドだったり、考えだったり、思いだったり、いろんなものを抱え込んで生きているのだと、そう訴えかけられた気がしました。
だから、中学生だった当時の私はうらやましかったのです。自分のプライドがあり、大人の顔色を気にせずに発言できる巧がかっこよく見えて仕方がなかったのです。
大人になり、さらに親になった今は、「協調性が大事」「親の言うことは聞くもの」というものが、知らず知らずのうちに、当たり前になってしまっていたのだと思います。
あなたは、巧に対して、どんな感情を抱きますか?ぜひ読んでほしいです!!!!
野球好きな人もそうでない人も、大人も子どもも楽しめる
「バッテリー」は王道野球物語!というよりも、野球を通して描かれる一人一人の心情が見どころです。
読み手によって、それぞれ感情移入する人が違うのではないかと思います。
私は、初めて「バッテリー」を読んだ中学1年生の時は、巧の母親の真紀子に対して感情移入なんてしたことがなかったのですが、母親になった今は、真紀子に感情移入してしまうこともしばしばです。
児童書として書かれた「バッテリー」ですが、この物語が私たちに伝えることは奥深く、大人も子どもも楽しめる青春小説です。
主人公である巧の名言
キャッチャーの永倉豪は、病院の一人息子です。
豪のお母さんは、豪に病院のあとを継いでほしくて、勉強に力を入れるために、「豪に野球をやめるように言ってくれ」と巧みに頼みます。
「あんまり勉強、勉強って言うのかわいそうだから、今まで野球させてやってたの」
と豪のお母さんが巧に言った時の巧の一言は忘れられません。
「おばさん、野球って、させてもらうもんじゃなくて、するもんですよ」
あなたは、何か「させてもらってる」ではなく、「したいからする」でしていることはありますか?
また、誰かに「させてあげてる」という感覚はありますか?
カッコイイですよね?これを中学生が大人に言うんですよ?
私は、これ、たまにあるんです。
2歳半の息子の息子に対して「遊んであげてる」「お世話をしてあげてる」とたまに思ってしまうんです。
「遊びたいから遊ぶ」だし「育てるのは親としての責任」なのに。
巧のこの言葉を久しぶりに聞いて、大人になった今、改めて考えさせられました。
バッテリーは全部で何巻あるの?
6巻完結のシリーズもの
1巻から6巻までそれぞれの登場人物たちがどう生きて、どう変わっていくのか。
私はまだ1巻しか読み終えれてないのですが、いろいろ考えさせられることがありました。2巻では、どんなことを考えさせられるのか、巧を取り巻く野球環境はどうなっていくのか、物語と一緒に楽しみたいです。
2007年には映画化も!主人公の巧役は、林遣都さん!!
「バッテリー」は、2007年には、映画化もしました!
13歳の主人公・原田巧を、当時17歳の林遣都さんが演じています。
この映画であの名言が聞けて、興奮しました。
「バッテリー」は漫画版とアニメ版もあり
2016年には、アニメ化しています。
2005年には、柚庭千景さんによる漫画にもなっています。2016年には、同作者の方によって新装版も登場しています!!
新装版は絵柄が柔らかくなっていて個人的に、好きです♡
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乃神愛衣子さんは、アニメバッテリーの巧のお母さん役を務めていた方です♡
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